猫とか、フィギュアとか、推理小説の感想とか色々。フンターさんの生態記録始めました。
2009年01月07日 (水) | Edit |
ハサミ男 殊能将之著 読了。

尚、未読の人はグーグルで「ハサミ男」と検索しないで下さい。
検索候補?でネタバレくらいます
読む前で良かった・・・。

薦められて読んだのですが、かなり面白かったです!
犯人の視点があり、それを追おうとしている警察サイド。
段々と警察が犯人に迫ってくるので、人殺しの味方はしたくないのですが思わず「逃げてー!犯人、超逃げてー!!」と言いそうになりました。

あらすじ。
少女を殺し、その体にハサミをつきたてる殺人鬼。
2人もの罪無き少女がその犠牲になった。
マスコミは彼に「ハサミ男」という呼び名を与えた。
ハサミ男は自分の報道が収まる頃を見計らい、第3の被害者を生むべく少女を物色していた。
殺人鬼に次なる獲物として選ばれてしまった少女「樽宮由紀子」
だが、ハサミ男が殺害する前に彼女は何者かに殺されてしまった。
首に鋏を突き立てられ、まるでハサミ男が殺したかのように。
そして皮肉にも由紀子の死体を発見したのは、ハサミ男本人だった。

以下、バレ。
ハサミ男っていうか、ハサミ女じゃねえか!
と読後最初に思ったのはこの一言。
注意して読めばかなりヒントがあるのですが(由紀子を見て「わたしからみても美人だと思うくらいだった」とか殺鼠剤を飲んだ後のトイレ、「喪服を着た女は美しい」や、ピンクハウスマニアの女の「もっとおしゃれしたら?」発言、などなど。
とにかく、騙されましたねー。
警察サイドからの「日高」という名称が出たところで、この「わたし=ぼく=医師」は日高という名前の小太りの男か、と。
26歳という年齢の一致や、日高自身も葬式に行ったりハンバーガー屋で目撃された(ととっさに刑事が作り話をしたり)「わたし」が自分をデブだと思い込んでたりと読者のミスリードを誘う行動していたので。

マルサイが由紀子殺しに関与しているというのは、かなり最初から読めました。
自分が直接行動しなかったのも、由紀子と一緒に居たのを誰かに目撃されていたのを警戒してのことだろうしとか。

由紀子といい、知夏といい、怖い女が多いですね。
自分のことをことあるごとに「デブ」だと言ってますが、作中では「美しい」と称され、食べている量が必ずしも多いわけでは無く、甘い物を大量に摂取しているわけでもないので、標準体型なのでしょうが、デブだと思い込んでいるのも心の病ということなんでしょうか。
それとも過去デブだったのを苦にやみ、自殺未遂(嘔吐してしまうことが多く体重減少)だんだんと痩せて元々の美しさが出た(のに、本人は気づかない)というパターンでしょうか。
どちらにしても、由紀子同様、家庭に問題を抱えてたのでしょうね。
由紀子は殺されたわけですが、そのままの人生を歩んでいたら知夏と同じ道を辿っていたのかもしれませんね。
知夏も性交渉に対してどんな感情も抱いて無さそうだし。
(日高が望めばそうしたらいい。その時なら隙も出来るだろうしといった描写から)

それにしてもこのオチ・・・(;´Д`)
多分、第三の被害者として同室の老婆の孫である少女がこれから先狙われるのでしょうね。
かわいそうに。
知夏がこれから先更正(医師が消え、自殺癖を治し、自首し、罪を償い、まっとうに生きていく)ことは出来ないだろうし、警察が彼女を捕まえるのが先か、被害者がどんどん増えていくのが先か。
磯部と付き合うことがあれば、知夏の異常さに気がつくとは思うのですが。
リアルであれば「人殺すくらいなら自殺しろ」とニュース見るたび思いますが、こうして作品に自殺願望の殺人鬼が書かれるとちょっと感情移入してしまいますね。

磯部が有能なのかと思わせておいて、本当にただの凡人だったのにも騙されました。
それにしても濡れ衣をきせられるわ、殺されるわで可哀想な日高でした。
ただ、あの後ちゃんと捜査したら知夏の怪しい行動から、彼女がハサミ男だとわかりそうなんですが。
少なくとも、とし恵は知夏の異常な側面を垣間見たし。

それにしても外見に騙される警察、格好悪い。

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