高瀬とうやの世迷言
猫だったり、フィギュアのことだったり。
ミステリーの愉しみ5「奇想の復活」
ミステリー小説漬けになってる今日この頃。
「こんな本持ってるから貸してやる。」と言われたのが「ミステリーの愉しみ5「奇想の復活」」
短編の小説が19編。
19人の作家のアンソロジー的本です。
「コレ見て気になった作家が居たら、その作家の本を買ってみたら?」とのこと。
まだ全部読んでいないのですが、以下ネタばれ。

歌野晶午 「阿闍梨天空死譚」
普通(ミステリーおたくでもない)の作曲家がとある奇妙な事件に遭遇。
謎を解いてやるぜ!・・・と思いつつ忙しくて気がついたら3年経過。
ふとしたことで知り合った飄々としてつかみ所の無い(ヒッピーと揶揄されていた)男に事件の事を話すとあっさり解決。
というような感じ。
探偵側に魅力が無いなーと感じたこの話。
作曲家はとりたてて謎を解けるわけでもないし、ヒッピーはヤク中だし。
一緒に謎を解いていく爽快感というかその快感が無い感じ。
「なるほど!こうだったのか!」ではなくって「はぁ。そうだったんですか。」と思わされる。
警察に言うのかは作曲家に任せる、自分は関わりあいたくないというのも、ミステリー特有の「悪人を追い詰める。悪事は報われないのう。」というのが無かったというかなんというか。
「かくして悪の教団は壊滅した。」という文があったらあったでそれは興ざめなのかもしれないけれど。

あと冒頭の「塔が殴りつけてきた!」というのも何かオチがあるのかと思ったら投げっぱなしでした。
本の最初に持ってくるのにはちょっと向いていない話だったかも。


司凍季 「頸折れ人形考」
エロスです。
不倫男の話だからしょうがないけど、エロスです。
このオチも結構面白かったです。
ただ、ミスリードを自然に誘発させるんじゃなくって、わざと誤った方向へと向かわされてる感覚。
バーでの会話「犯人はプロレスラーに違いない。」というのがやけに空々しいというかなんというか。
あと文章がやけに勇み足っぽかった。
もうちょっとじっくりと書いていたらよかったかも。
バーでの会話の主も固有名詞を与えるのではなく、顔見知りのバーの客その1、その2としていたほうが混乱しなくて済んだのに。
主人公の会社の同僚の女の会話、20数歳の若い青年に手紙の中で「母上様」と表現させているなどいちいちセリフ臭いというのも難点。
同僚に「あら、鳥肌たってるわよ。あなたご自分の小説読んで感動なさったの?」と言わさずに地の文で表せばいいのにとか。
謎解きオチは、バーの客。
「キミら、一体何者やねん。ミスター味っ子にて一口食べただけで料理の工夫がわかるモブキャラかい?」というツッコミ入れたくなりました。


法月綸太郎「重ねて二つ」
これは面白かった。
ただ、やっぱり解決への道が勇み足。
短編だからしょうがないんだろうなあ。
犯人は冷静に考えるとこいつしか居ない。
しかし殺人現場からこつぜんと消えた他の体の行方は?
何故死体はこのような形で置かれていたのか?
というのが綺麗にオチてます。
読み薦めていくうちに「このトリックか!」と感づいたのですが、あまりにも大胆ですな。
流れる血とか臭いとかどうやって誤魔化したんだ?ということも気になります。
殺人現場の強烈な臭いでわからなくなってたのか?と。
最初は姦淫したみせしめの意味で遺体をこういう風に重ねて置いてあるのかと思ったのでちょっとだまされてました。

綾辻行人「どんどん橋、落ちた」
Σ(゚Д゚)すげえオチ。
色んな意味で。
しかし何故か「見抜けなかった自分が悪い。」という気分にさせられる。
裸の子供たち、とか名前の違和感だとか、長老制とか。
普通の長編物でコレやったらすげえ怒られるだろうけど「まぁ、短編だしいいか。」と。
リンタロウとタケマルで笑わされました。
身内名前ネタ好きだなあ。

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